2021年07月13日

広告効果の目安「ROAS」を徹底解説

広告を利用した際に気になるのは、広告にどのくらいの効果があったのか?ですよね。

アイテムマッチはクリック課金型広告なので、クリックしてストアに訪問したお客様の分だけ広告費用が発生します。そのお客様がお買い物をして初めてアイテムマッチ経由の売上となります。

広告費用としてかかった金額に対して、アイテムマッチ経由の売上がどれくらいだったかを知る数値がROAS(ロアス)です。

今回は広告の費用対効果がわかるROAS(ロアス)について詳しく解説していきます。

■この記事のポイント

  • ROASは広告の回収率を表す数値
  • ROASの値が高ければ高いほど広告の費用対効果が高い
  • 自ストアのROASはどれくらいか確認し、利益の出るROASも知っておこう
  • アイテムマッチ運用で重要な項目は「クリック数」と「ROAS

Yさん、アイテムマッチのレポートにある「ROAS(ロアス)」ってどういう数字なんですか?どう見たらいいんですかね?

ROAS(ロアス)は広告の費用に対する効果を表す目安となる指標です。
アイテムマッチの運用に役立つ数値なので、ぜひ覚えておきましょう!

ROAS(ロアス)とは

ROASとはReturn On Advertising Spendの頭文字をとった言葉で、「実施した広告に対して得られた売上の割合」すなわち「広告の回収率」を表します。

ROASの計算式は以下のとおりです。

■ROASの計算式

ROAS=広告経由の売上÷広告費用×100(%)

ROASの値が高ければ高いほど広告の費用対効果が高かったと判断できます。

八百屋さんの事例で見ていきましょう。

八百屋さんがチラシを50万円かけて作成し、チラシ閲覧者限定セットを販売したところ、100万円の売上がありました。チラシ閲覧者限定セットの粗利率は30%です。

この場合50万円のチラシで100万円分の野菜が売れたので、ROASは200%となります。かけた広告費用の2倍の金額は売れましたが、粗利から広告費を引くと20万円の赤字になってしまいます。

売上粗利益広告費用粗利ー広告費ROAS
1,000,000300,000500,000-200,000200%

以下のような場合だったらどうでしょう。

・チラシ費用が50万円で、野菜の売上も50万円だった場合・・・ROASは100%
→広告費が回収できていない状態、かつ35万円の赤字になっています。

売上粗利益広告費用粗利ー広告費ROAS
500,000150,000500,000ー350,000100%

・チラシ費用が50万円で、野菜の売上が200万円だった場合・・・ROASは400%
→広告費用の4倍の売上ができ、費用対効果が高い状態で10万円の利益が残りました。

売上粗利益広告費用粗利-広告費ROAS
2,000,000600,000500,000100,000400%

つまり八百屋さんは、ROASを400%以上を目指す必要があります。

ROASの数値が高ければ高いほど広告の費用対効果は高いといえます。

なぜROASが大切なのか?

せっかくアイテムマッチを使って広告運用していても、利益がきちんと出ていないとストア運営に影響します。

アイテムマッチを運用した結果、利益も出ているのか確認することが重要です。

ROASの値を見れば、かけた広告に対してどの程度効果があったのかわかり、今後のアイテムマッチ運用の目安となります。

アイテムマッチ運用の違いでROASはこう変わる

ROASがアイテムマッチ運用の目安となることはお伝えしましたが、アイテムマッチの運用によってどのような違いが出るのでしょうか。

広告費用、客単価、粗利率が同じで、運用方法が異なる3つのストアを例に、ROASの違いを見ていきましょう。

■3つのストアの共通事項
・広告費用:75,000円
・粗利率:30%
・客単価:5,000円

ストアA:とりあえず入札してみた場合

ストアA は集客に困っていたので、とりあえず最低入札価格で在庫過多の商品をアイテムマッチに登録してみたところ、ROASは200%で、かけた広告費用よりも倍の売上はありましたが、結果的に利益が出ていないことがわかりました。

クリック数入札価格
(クリック単価)
注文件数売上購買率
(CVR)
ROAS
商品A2,25025円20100,000円0.88%178%
商品B2,75025円30150,000円1.09%218%
全体5,00025円50250,000円1.00%200%
売上粗利益広告費用粗利ー広告費
250,000円75,000円125,000円ー50,000円

ストアB:購買率の高い商品に入札している場合

ストアBは購買率の高い商品Cに入札できていたため、アイテムマッチ経由の購買率が全体でも上がって、ROASも400%になり、利益も出る結果となっています。

クリック数入札価格
(クリック単価)
注文件数売上購買率
(CVR)
ROAS
商品A150025円20100,000円1.33%266%
商品B200025円25125,000円1.25%250%
商品C150025円55275,000円3.66%733%
全体5,00025円100500,000円2.00%400%
売上粗利益広告費用粗利-広告費
500,000円150,000円125,000円25,000円

ストアC:購買率の高い商品は入札単価を高く、低い商品は入札価格を最低単価で入札した場合

ストアCは購買率の高い商品の入札価格を上げて入札し、あまり購買率の低い商品は最低入札価格で入札を行ったところ、ROASが600%になっています。

クリック数入札価格
(クリック単価)
注文件数売上購買率
(CVR)
ROAS
商品A70025円1050,000円1.42%286%
商品B1,20030円38190,000円3.16%527%
商品C2,00035円100500,000円5.00%714%
全体3,90031.6円148740,000円3.79%600%
売上粗利益広告費用粗利-広告費
740,000円222,000円123,500円98,500円

ストアA・B・Cの3つのストアを比べてみると、同じ広告費用でも運用方法の違いでROASに違いが出てくることがおわかりいただけたでしょうか?

購買率の高い商品や低い商品の入札価格を調整したりするという運用ステップを積むことで、アイテムマッチの費用対効果を上げることができます。

自分のストアではROASが何%くらいで利益が出るのか知っておくことが大切ですよ!

自ストアのROASを確認しよう

それでは自分たちのストアのROASはどれくらいなのでしょうか?

ROASはアイテムマッチの実績レポートから確認ができます。

■アイテムマッチ実績レポート

アイテムマッチのアカウントをお持ちの方はこちらから確認できます。

目標ROASを計算してみよう

自ストアが目指すROASの目標値を計算してみましょう。

ROASの目標値はストアの状況・粗利率・客単価によってさまざまです。客単価が高いとROASが高くなる傾向があるため、取扱い商品カテゴリによってもROASの基準は変わります。

他店の目標ROASの参考値ですが、利益率の高い商材は300%~目標にしていたり、利益率が低い商材は600~800%を目標にしていたりします。

以下につの目標設定方法の例をあげてみました。

目標①:まずはアイテムマッチ経由で目指す売上を設定すると、そこからの粗利額が導き出せます。

例えば、以下の例でみると目標売上を30万円にした場合、得られる粗利額は9万円です。広告費用に9万円以上かかってしまうと利益が残らなくなります。

333%(ROAS)=30万円÷9万円×100(%)

この場合のROASは333%ですので、それ以上に目標を設定しておく必要があります。粗利率はそんなに高くないので、先ほどの参考値を例に目標ROASを600%にするとします。

すると、目標売上30万円、広告費用5万円で運用すれば、目標ROAS600%が達成できることがわかります。

目標②:広告費用はこれまでどおり同じ金額を予算として設定して、費用対効果の高い運用を目指す場合は、広告予算と目標ROASから目標売上を導き出します。

アイテムマッチ経由目標売上=広告予算×目標ROAS
45万円=75,000円×600%

ストアA実績目標①
目標売上から計算する場合
目標②
広告予算から計算する場合
アイテムマッチ経由売上150,000300,000450,000
広告費用75,00050,00075,000
ROAS200%600%600%
粗利率30%30%30%
粗利額45,00090,000135,000
粗利額ー広告費用-30,00040,00060,000

自ストアのROASを確認して目標値を調整し、設定してみてください。

アイテムマッチ運用に活かすためには?

ROASについてわかったところで、アイテムマッチ運用にどのように活かしていけばいいのか見るべき指標について説明します。

アイテムマッチ運用の目安として、実績レポートから基本的な指標であるクリック数広告効果の指標であるROASを確認します。

基本的な指標:クリック数
 クリック数(訪問者数)がどのくらいあったか、目標どおりであったか確認します。

クリック数=ストアへ何人訪問したかという訪問者数でもあります。また、クリック数はアイテムマッチの広告費用にも直結する重要な数値です。

広告効果の指標:ROAS
 自ストアの目標とするROASに比べて高いか低いかを確認します。

特に商品が売れずにROASが低い場合は、アイテムマッチ運用で改善する必要があります。

まとめ

今回はアイテムマッチ運用の目安となるROASについて、事例をふまえて紹介いたしました。

アイテムマッチの費用対効果がきちんと出ているのか、確認しながらアイテムマッチ運用を行う際の参考にしてください。

アイテムマッチ運用で参考にしていただきたい項目はクリック数ROASです。この二つの項目を見て、アイテムマッチ経由の売上、費用対効果があがるように改善しながら、継続運用していきましょう。

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