ネットショップの利益構造まるわかり!今年こそ「利益」を上げよう~売上100万円ストアの事例紹介~
ネットショップはリアル店舗と比べて、家賃などの固定費が低くできる点がメリットです。
また、Yahoo!ショッピングでは初期費用、月額費用が無料なので、さらに販売管理費用がかかりません。
だとすれば、売れば売るほど「儲かる(利益が出る)」はず・・・・。皆さんは「利益」を意識していますか?
利益額を増やすためには「売上高」「お客様の数」を増やすこと、「原価」「販売にかかる費用」を把握し、コントロールすることが必要です。
そこでキーとなるのが「集客=広告費の使い方」です。
利益構造をしっかり理解すれば広告費の考え方も変わります。広告をしっかり活用できれば、売上高、利益額アップも見込めますよ。
今回は事例をもとに、ネットショップの利益構造の説明と広告費を増やした場合にどれだけ売上、利益が上がるのかについて解説していきたいと思います。
今年は「利益」を意識して広告を活用していきましょう!
■この記事のポイント
- ネットショップが儲かっているかは「営業利益」でわかる
- ネットショップの利益構造がわかると広告費の考え方が変わる
- 広告費は唯一売上に直結する費用
- 売上高・利益額アップのためには広告の活用が必要
店長、ネットショップ売上のうち実際の利益はどのくらい残っているか理解していますか?
商品の粗利率はだいたい理解しているのですが、売上高ばかりを気にして最終的な利益についてはよくわかっていないかもしれません・・・
利益率を気にすることも大事ですが、最終的にどのくらい利益額が残るかが重要ですよね。
今回はネットショップの売上と利益について説明していきますね!
まずはネットショップの売上高構成と利益構造について見ていきましょう。
ネットショップの売上高構成と利益構造
ネットショップの売上高がどのような構成で費用と利益がどう組み合わさったものなのか、分解してみました。
ネットショップの売上高から「原価」を引き、そこから「売上にかかった費用(販売管理費)」を差し引いた金額が「営業利益」です。
売上高から原価(製造原価もしくは仕入価格)を引くと「粗利益」が導き出せます。
粗利益=売上高ー原価
「粗利益」から原価(製造原価、仕入価格)以外の「販売管理費」(売上にかかった費用)を引くと「営業利益」が導きだせます。この「営業利益」がネットショップ運営で儲けた利益といえます。
営業利益=粗利益ー販売管理費
一般的な小売り(実店舗など)の利益構造を図式化すると以下のとおりです。
売上高ももちろんですが、営業利益額を多く残したいですね!
そうですね!そのためには販売管理費についても理解していきましょう。
販売管理費とは
販売管理費とは「販売及び一般管理費」のことを言い、商品の販売に関連して発生した(売上にかかった)費用のことです。
販売管理費は以下の2つに分かれます。
- 販売費:広告費、ポイント・決済手数料、運送費、人件費、など
- 一般管理費:通信費、固定費など
販売費は販売に関する費用なので、販売活動により売上が上がると販売費も変動します。
一方、一般管理費は管理業務に関する費用で、売上が上がろうと下がろうと一定金額かかる費用です。
ネットショップ運営で利益を残すためには、「販売管理費」がどのくらいかかるのか、どのくらい必要かを把握しつつ、売上を伸ばしていく必要があります。
広告費とは
販売費の中でも広告費は、売上に直結する費用で最も重要です。
売上を上げるためには「お客様の数」が必要です。
広告費は実店舗ではチラシや看板など、お客様を集め、商品を見てもらうための費用で売上アップには欠かせません。
ネットショップにおいても広告の活用が一番効果のある集客施策です。
どのように広告費をかけていくべきか、実際のお店の事例で見ていきましょう!
売上高100万のお店の利益構造
売上高が100万円のお店の利益を見てみましょう。
売上高が100万円のこのストアでは現状営業利益が15万円という結果でした。
■ストアAの利益構造
このストアが広告費を+10%上げてみたところ、売上高と営業利益にどんな変化があったか見ていきましょう。
広告費を今より+10%上げてみた
これまでは売上高100万円の実績で、広告費は売上高の5%(5万円)でしたが、広告費用をそれより10%上げた15%(15万円)で運用してみることにしました。
広告費を上げるとは?
広告費を上げると商品をお客様に見ていただく機会が増えるので、ストアへの訪問客数を増やすことができます。
Yahoo!ショッピングでは出店者向けに広告が用意されています。この中で広告費と集客数のコントロールがしやすく、初めての方でも利用しやすい広告が「アイテムマッチ」です。
「アイテムマッチ」はYahoo!ショッピングの検索結果やカテゴリリストの専用枠に商品が掲載される、1クリック25円~入札可能なクリック課金型広告なので、クリックされてはじめて課金がされます。
そのため広告費を上げるとその分クリック数(訪問客数)も伸びます。(例:広告費1,000円、入札単価25円だとクリック40回分、広告費2,000円だと80回分になるため)
広告費がストアへの訪問客数と直結する費用対効果の高い広告といえます。また、広告予算の上限も設定できるので使いすぎる心配がありません。
「アイテムマッチ」 では実績レポートにより広告経由でどれだけの訪問客数(クリック数)があり、いくら広告経由で売上があったかなど確認できます。
次に、広告費を上げると売上高や利益がどのくらい増えるかを説明します。
広告費を上げてみた結果
広告費を上げてみた結果、ストア全体の結果として売上高300万円(うち広告経由の売上が全体の50%)、営業利益は55万円になりました。
ストアAの当初の広告費用が5万円だったときはクリック数(訪問客数)が2,000人から6,000人、広告経由売上も50万円から150万円に伸びました。
■アイテムマッチ実績レポート例
表示回数 | クリック数 | CTR | CPC | 利用金額 | 注文数 | 注文個数 | 売上金額 | CVR | ROAS |
200,000 | 2,000 | 1% | 25 | 50,000 | 100 | 100 | 500,000 | 5% | 1000% |
600,000 | 6,000 | 1% | 25 | 150,000 | 300 | 300 | 1,500,000 | 5% | 1000% |
ストア全体の売上高、利益、その他費用がどう変化したのか見ていきましょう。
■広告費を+10%にした場合
ストアA | これまでの実績 | 広告費を+10%にした場合 | 差分 |
売上高 | 100万円 | 300万円 | +200万円 |
原価 | 70万円(70%) | 210万円(70%) | +140万円 |
粗利益(売上高ー原価) | 30万円(30%) | 90万円(30%) | +60万円 |
販売管理費 | 15万円(15%) | 35万円(11.7%) | +20万円 |
ーYahoo!ショッピング手数料他(ポイント、決済) | 5万円(5%) | 15万円 (5%) | +10万円 |
ー広告費 | 5万円(5%) | 15万円 (5%) | +10万円 |
ー諸費用(人件費など) | 5万円(5%) | 5万円 (1.7%) | ±0円 |
営業利益(粗利益ー販売管理費) | 15万円(15%) | 55万円(18.3%) | +40万円 |
※売上100万円だった時点で5万円から15万円にした場合
■ストアAの利益構造の比較
広告費が上がっても、売上が上がっても、販売管理費のうち「人件費」は今のキャパシティを超えない限りこれ以上かからず、「通信費」などの諸費用の変動もありませんでした。
広告費を+10%(5%→15%)、5万円から15万円に上げたとしても売上高も利益率も上がり、営業利益もしっかり残る結果となりました。
なるほど!広告費を上げても同じように運用して集客できれば、しっかり利益は残るんですね。
そうです!最終的な利益額を上げるためにも、損のない範囲で広告費をかけて集客をすることで、売上高アップに伴い、利益率も利益額も上がっていきますよ!
まとめ
今回はネットショップの利益構造の説明と広告費を増やした場合にどれだけ売上、利益が上がるのかについて説明しました。
ネットショップ運営において利益率はもちろん重要ですが、本来ネットショップが儲かっている状態かどうかは「最終的に利益額がどれだけ残るか」で判断されます。
ネットショップの利益構造を理解して、「しっかり儲かるネットショップ運営」を目指していきましょう!
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