広告の改善スピードアップ!広告運用の良し悪しを判断する基準を決めよう
ネットショップで自分たちのお店にお客様を集め続けるためには、広告は欠かせない対策です。
Yahoo!ショッピングは他モールに比べ圧倒的に出店数があり、ライバルも多いので、特に広告に力を入れていく必要があります。
広告を効果的に運用していくためには、広告の効果をすばやく分析し次に活かすことが重要で、そのための判断基準を持つことが必要になってきます。
そこで今回は、広告を配信して、結果は良かったのか?悪かったのか?
広告の効果はでているのか?でていないのか?を判断するための基準の決め方について、アイテムマッチの事例をもとに詳しく解説していきます。
■この記事のポイント
- 広告を効果的に運用するためには、広告の良し悪しを判断する基準を持つことが必要
- 広告は結果と効果の2つの軸で確認する
- 広告を判断する基準として目標を設定する
- 判断する基準ができると分析もスムーズにすすみ、すぐに次の広告の改善につながる
目次
店長、広告の良し悪しってどこで判断していますか?
ストアの売上が上がったら広告の効果があったのかなぁと思っています。
広告を判断する基準を持っていると、次の広告の改善点もすぐに見つかり、集客も改善されます。
まずは、自分たちの広告の結果が良かったのか、悪かったのかを判断するための基準を決めましょう。
広告の判断基準は結果と効果
広告を判断するための目標を設定していきましょう。広告の判断には、広告の結果(result)と広告の効果(effect)の2つの軸で見ていきます。
広告の結果は広告を使った売上目標が達成できたかどうかで判断できます。
広告の効果は自分たちの商品がどのくらい見られて、ストアに何人のお客様が訪問してくれたか(集客できたか)どうかで判断します。
売上目標が設定できると、売上目標を達成するために訪問客数が何人必要で、そのうちどのくらいの割合で購入してくれるかなど「クリック数」や「購買率」の数値目標も導き出されます。
数値目標が設定できていると、広告の結果として売上は上がっているけれど広告の効果(集客効果)が出ていない場合や、売上は上がっていないけれど広告の効果(集客効果)は出ていたなど、どこに改善のポイントがあるのか見つけやすくなります。
広告の判断基準値を決めよう
まず一番大切な基準は、広告で作りたかった目標売上を達成したかどうかです。
例えば、アイテムマッチを利用して配信を行い、アイテムマッチを使った売上目標が30万円の場合、実際にアイテムマッチ経由の売上が目標達成していれば結果としてその広告が良かったと判断できます。
しかし、広告の判断は売上目標だけでは不十分です。
アイテムマッチを使った売上実績を構成するクリック数(訪問客数)や表示回数などの数値も見て、広告の効果がどこで、どう出ていたのかも分析する必要があります。
アイテムマッチの効果を分析し、次の運用に活かすためにも、売上目標と必要な他の数値目標についても決めておく必要があります。
判断基準値の目標を設定しよう
広告の判断をするために、売上目標と必要な他の数値目標を設定しましょう。
以下に広告を判断するための項目をまとめました。
【広告の結果を判断する項目】
・広告経由の売上実績
【広告の効果を判断する項目】
・表示回数:広告が表示された回数
・クリック数(訪問客数):検索結果、カテゴリリストから自分のストアの商品ページに訪問した人数
・購買率(CVR):商品ページをクリックしたお客様のうち購入されたお客様の割合
・ROAS(ロアス):実施した広告に対して得られた売上の割合。広告の回収率でもあり、広告の効果を数値化したもの
アイテムマッチのレポートで上記の実績は確認できます。
▶アイテムマッチレポートはこう見る!クリック、ROASの結果別アイテムマッチ運用方法まとめ
では、アイテムマッチを使った売上目標の出し方から説明していきましょう。
売上目標の出し方
広告を使った売上目標は、ストア全体の売上目標から現状の売上実績の差を、広告を使ってどの程度カバーするかで決められます。
■広告で作りたい売上目標を計算する
広告を使った売上目標(目安)=ストア全体の売上目標ー現状の売上実績
例えば、ストア全体の売上目標が50万円で現状の売上実績が30万円だった場合、「残りの20万円を広告で売り上げるという目標にしよう」といった具合です。
20万円(広告を使った売上目標)=50万円(ストア全体の売上目標)ー30万円(現状の売上実績)
訪問客数(クリック数) 目標の出し方
広告を使った売上を構成する要素は「クリック(訪問客数)」「購買率」「客単価」です。
■広告を使った売上の方程式
広告を使った売上=クリック数(訪問客数)×購買率×客単価
広告を使った売上の目標が決まったら、以下の式で目標達成のために必要なクリック数(訪問客数)が求められます。この際に購買率と客単価は一旦現状の数値を入れておきます。
■売上目標から必要な訪問客数(クリック数)を導き出す
クリック数(訪問客数)目標=広告経由の売上目標÷購買率÷客単価
例えば、広告経由の売上目標が20万円で、購買率が2%、客単価が5,000円の場合、必要なクリック数(訪問客数)は2,000クリックと言うことがわかります。
2,000(クリック数)=20万円(広告経由の売上)÷2%(購買率)÷5,000円(客単価)
表示回数目標の出し方
必要な訪問客数(クリック数)が導き出せたら、そのために必要な広告の表示回数も確認しておきましょう。
表示回数の算出は以下の式で導き出せます。
■必要な訪問客数(クリック数)から必要な表示回数目標を導き出す
表示回数=必要なクリック数(訪問客数)目標÷CTR(クリック率)
例えば、必要なクリック数(訪問客数)は2,000クリックでCTR(クリック率)が1.5%だとしたら、必要な広告表示回数は133,333回ということがわかります。
133,333(表示回数)=2,000(クリック数)÷1.5%(CTR)
CTR(クリック率)に関しては現状の実績数値を入れるか、以下のページでもカテゴリ毎のCTR(クリック率)が毎週確認できますので、参考にしてください。
▶【毎週水曜更新】 アイテムマッチ人気カテゴリランキング(Yahoo!ショッピングストア限定)
※アクセスにはストアアカウントを取得のうえ、ストアクリエイターProへログインが必要です。
購買率の目標(基準)の出し方
購買率の基準は商品のカテゴリや価格帯によっても変わります。
また、広告施策を実施するとたくさんの方に商品が見られ、購買率は低くなる傾向にあります。
購買率の目標としては現状の購買率を基準とするか、ストアクリエイターPro内の以下のページに月商別、カテゴリ別購買率の参考値が出ていますので購買率目標の参考にしてください。
▶何を基準に目標をたてる?(Yahoo!ショッピングストア限定)
※アクセスにはストアアカウントを取得のうえ、ストアクリエイターProへログインが必要です。
ROASの目標(基準)の出し方
ROASの目標値はストアの状況・粗利率・客単価によって変わります。
客単価が高いとROASが高くなる傾向があるため、取扱い商品カテゴリによってもROASの基準は変わります。
他店の目標ROASの参考値ですが、利益率の高い商材は300%~目標にしていたり、利益率が低い商材は600~800%を目標にしていたりします。
ROASの目標について詳しくは以下の記事をご参照ください。
▶広告効果の目安「ROAS」を徹底解説
広告に対する目標を持っていると、広告の結果や効果の判断が早くできるので、次の広告の改善にすぐに活かせますよ!
以上で目標の出し方で広告を判断するための数値目標がそろいます。この数値目標を元に広告を判断していきましょう。
広告を判断するポイント
実際のアイテムマッチの配信結果でどのように広告を判断するかについて説明します。
- 広告の結果を見る(パターン①)
- 広告の効果を分析する(パターン②)
広告の結果を見る(パターン①)
広告の結果を見ていきます。前項で説明した広告を使った売上目標を達成しているかどうかを確認し、どの要素が良かったのか悪かったのかを分析します。
まずはアイテムマッチ実績レポートの月別でストア全体の結果を把握し、詳細は商品別>月別のレポートで見ます。
アイテムマッチレポートの以下の項目を確認しましょう。
- 売上金額
■アイテムマッチレポート(月別)
売上金額
売上金額は文字通り、アイテムマッチ経由でいくら売上が作れたかという実績です。
まずはアイテムマッチ経由の売上実績と当初の売上目標と比較して、アイテムマッチの結果が良かったかどうか見ます。
広告の効果を分析する(パターン②)
次は広告の直接的な結果とは別に、広告によって実際にお客様はストアに訪問されたのかどうかという集客効果と広告を効果的に打てたのかどうかを見ていきます。
アイテムマッチレポートの以下の項目を確認しましょう。
- 表示回数
- クリック数(訪問客数)
- 購買率(CVR)
- ROAS(ロアス)
■アイテムマッチレポート(月別)
表示回数
表示回数は自分たちの商品がアイテムマッチにより、検索結果やカテゴリリストページなどで何回表示されたかを指します。
お客様が検索するキーワードの検索数、キーワードが商品情報にキチンと入っているかどうか、プロダクトカテゴリが細かく設定されているかなどが表示回数に影響します。
クリック数(訪問客数)
クリック数(訪問客数)はアイテムマッチで最も重要な数値で、広告による集客効果があったかどうかが判断できます。
検索結果やカテゴリリストページで表示された商品から、実際に何人のお客様がストアに訪問されたかがわかります。
必要なクリック数(目標)に足りているかどうかしっかり確認しましょう。
購買率(CVR)
購買率はアイテムマッチ経由でストアに訪問されたお客様のうち、何人のお客様が購入したかという割合です。
当初の想定より購買率が低い場合は、価格面や商品面でお客様のニーズに合っていないあった商品が広告されているといえます。
反対に、当初の想定より購買率が高い場合は、お客様のニーズに合った商品が広告され、購入されているという判断ができます。
配信結果の確認方法は以下の記事をご参照ください。
▶アイテムマッチの広告効果を確認しよう!配信結果の見方を解説
ROAS(ロアス)
ROASは「実施した広告に対して得られた売上の割合」すなわち「広告の回収率」を表します。
かかった広告費用の何倍もの売上の効果が得られたということで、ROASの値が高ければ高いほど広告の効果が高かったと判断できます。
■ROASの計算式
ROAS=広告経由の売上÷広告費用×100(%)
ROASが高くでるか、低くでるかは「入札価格」「購買率」「商品単価」が関係してきます。取扱い商品の粗利率にもよりますが、一般的にROASは400%以上取れていれば、良い基準といえるでしょう。
基準値目標と比較する
アイテムマッチレポートの実績と目標の数値を比較して、クリック(訪問客)数が達成しているかどうかを見ます。その次にROASを確認します。
クリック(訪問客)数が目標達成していれば、お客様がストアに訪問し、集客には成功しているということです。
あるストアの事例で見ていきましょう。
以下のストアの広告結果は売上目標は達成しませんでしたが、クリック(訪問客)数は集められていました。
■ストアの実績比較例
商品単価:5,000円、粗利率:30%、入札価格:20円
表示回数 | CTR | クリック数 | 利用金額広告費 | 売上金額 | 購買率 | ROAS | |
目標 | 250,000 | 1.2% | 3,000 | 60,000 | 300,000 | 2% | 500% |
実績 | 300,000 | 1.0% | 3,000 | 60,000 | 200,000 | 1.3% | 300% |
目標との差 | 5,000 | -0.2% | 0 | 0 | -100,000 | -0.7% | -200% |
ここでわかることは、今回実施した広告は結果として売上目標金額には届きませんでしたが、集客はある程度できていました。
商品はクリックされているのに、購入に至っていないということなので、以下の原因、対策が考えられます。
- 広告入札している商品が少なすぎる(広告入札商品を増やす、全品指定価格入札する他)
- 購買率の低い商品は入札価格を下げ、購買率の高い商品の入札価格を上げる(チューニングを行う)
アイテムマッチレポート分析の結果、他にもいろんなパターンが出てくるでしょう。
配信結果パターン別の具体的な対策ついては以下の記事に詳しく書いています。
▶アイテムマッチレポートはこう見る!クリック、ROASの結果別アイテムマッチ運用方法まとめ
なるほど。判断する基準があるとどんな対策を打てばいいかがすぐにわかるんですね!
まとめ
今回は広告を判断する基準について詳しく説明しました。
広告の良し悪しを判断する基準を持っていれば、すぐに分析ができ、改善ポイントが見つかるので次の広告運用に活かせます。
Yahoo!ショッピングでは広告による集客が重要なので、他店に負けないように効果的な広告運用を目指しましょう。
アイテムマッチをまだご利用されていない方は以下よりアカウントの登録をお願いします。
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