なんとなくはNG!成果につながる広告集客の改善ステップー3カ月目からのアイテムマッチ実践編ー
繁盛店の条件の一つとして集客対策がうまくいっていることが挙げられますが、なかなか広告の成果が出ない・出ているのかわからない、というお悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
また、どのように改善すればいいのかわからないというお悩みもよく聞きます。
そこで今回は、そんなストアさま向けに、アイテムマッチを利用して2か月経過したタイミングで改めて考えるべきこと、やるべきことを紹介していきます。
■この記事のポイント
- 広告の成果を判断するためには目標が重要
- 達成感を得るためにも、理想目標と中間目標を決めよう
- 売上目標から訪問者数目標を導き出し、アイテムマッチの予算を再設定しよう
- アイテムマッチの効果を上げるために「入札価格」「入札商品数」「入札商品」を見直そう
目次
理想目標と中間目標を改めて考えよう
目標が必要な理由
アイテムマッチは運用型の広告なので、以下のサイクルを繰り返す必要があります。
- 広告を配信する
- 実績を確認し良かった点、悪かった点を洗い出す
- 良かった点、悪かった点をもとに予算、入札価格、入札商品を調整する
しかし、なんとなく集客を伸ばしたい、なんとなく売上を上げたい、という願望だけでは広告として成果が出ているのかどうかがわかりません。
また、自分のストアにとっての課題と改善ポイントが明確にならないため、長期間の広告費の投下を続けることが困難になります。
成果と課題と改善ポイントを明確にするために、どのくらいの売上が必要なのか、そのためには何人お客さまを集めないといけないのか、という目標を定めていきましょう。
理想目標と中間目標とは
目標を持つことはとても大事なことですが、それが大きすぎる目標の場合、達成感がいつまでたっても得られず、課題も明確になりません。
目標を決める際は、3年後もしくは5年後に達成していたい理想目標と、1か月後、半年後、1年後に達成すべき中間目標を分けて考えましょう。
少しずつ目標を達成していくことで、「訪問者数」「購買率」「客単価」の細かい数字の変化にも気づけるようになり、課題が明確になります。
具体的な売上の目標値
ここでは仮に月商90万円を目標値に設定した場合の設定方法などを紹介していきます。
目標値が現在の月商とかなり差がある場合は、以下のようにステップを作りましょう。
例:3か月後に30万円→半年後に50万円→1年後に90万円
売上目標金額を定めたら、その目標を達成するためにはどの要素がそれだけ必要かを導きだしましょう。それぞれ必要な数値は以下の売上の方程式で確認できます。
■売上の方程式(構成)
売上目標=訪問者数×購買率×客単価
以下のような表を作成し、現在の実績から目標までの数値を確認していきます。
現在 | 3カ月後 | 6カ月後 | 1年後 | |
売上目標(円) | 10万円 | 30万円 | 50万円 | 90万円 |
訪問客数(人) | ||||
購買率(%) | ||||
客単価(円) |
別のネットショップ、もしくはリアル店舗をお持ちの方は以下の記事も参考にしてみてください。
▶売上目標を決めよう!ー目標の立て方 事例紹介ー
具体的な訪問者数の目標値
売上の中間目標値が決まったら、Yahoo!ショッピングのストアクリエイターProの目標設定を確認してみましょう。
ストアクリエイターPro>販売管理>目標設定の順でメニューを選択してみてください。
以下のように、現在の実績値が確認でき、1か月の目標を入力する項目があります。
購買率と客単価と先ほどの売上の中間目標値を使い、訪問者数の目標値を出していきましょう。
ここでの3カ月後の売上中間目標は30万円、現在の購買率は2%、現在の客単価は5,000円とします。
売上中間目標値(30万円)÷購買率(2%)÷客単価(5,000円) =訪問者数(3,000人)
訪問者数の目標値は3,000人になります。
仮に現在の訪問者数が2,000人だとすると、3,000人-2,000人=1,000人となり、この1,000人が新しく作らなければならない訪問者数になります。
売上目標(3カ月後)の30万円を達成するためには、
今より1,000人増やす必要があることがわかりましたね!
アイテムマッチの予算を改めて決めよう
では、足りない1,000人の訪問者をアイテムマッチで獲得するための計画をたてましょう。
訪問者数=クリック数と置き換えることができるので、ここからはクリック数とします。
検索結果ページのアイテムマッチ専用枠の上部の方へ掲載するためには、競合ストアよりも入札価格を高く設定する必要があります。
そこで自ストアの商品が売れるのかどうかを検証していく必要があります。
・競合ストアよりも入札価格が低い場合
入札価格 | |
競合ストア | 40円 |
自ストア | 25円 |
※掲載順位は入札価格×商品スコアの総合点で決まります。
競合ストアよりも低い位置に掲載される可能性が高いため、自ストアの商品を見てもらえず売れるかどうかわからないなぁ・・・
・競合ストアよりも入札価格が高い場合
| 入札価格 |
自ストア | 50円 |
競合ストア | 40円 |
※掲載順位は入札価格×商品スコアの総合点で決まります。
競合ストアよりも高い位置に掲載される可能性が高いため、ここで初めて売れる商品かどうかなどの傾向がわかりますね!
仮に、1クリック50円の入札価格で設定すると、1,000クリック集めるためには、アイテムマッチの予算が50,000円必要なことがわかります。
1,000クリック×50円=50,000円
たくさんの人に商品を見てもらう必要があるため、入札価格は50円程度にしてみましょう。
目標売上達成に必要な追加の訪問者:1,000人(1,000クリック)
そのために必要なアイテムマッチ予算:50,000円と出ました。
月次予算と日次予算
アイテムマッチ予算が改めて決まりましたので、さっそく設定していきましょう。
アイテムマッチには「月次予算」と「日次予算」という2つの予算設定方法があり、どちらかを選ぶ必要があります。
・月次予算設定を選ぶ場合
先ほどの50,000円をそのまま設定して大丈夫です。
月次予算設定は、予算額を月内で超えないように配信する設定なので、こまめに変更する必要はありません。(予算を調整する月初のタイミングで変更を推奨)
※月末から月初の0:00に切り替わるタイミングで数クリック超過する可能性があるので、心配な方は49,500円にしておきましょう。
・日次予算設定を選ぶ場合
50,000円÷その月の日数の額を設定してください。(その月の日数が30日の場合、日次予算設定額は約1,666円)
日次予算設定は、予算額を1日の中で超えないように配信する設定です。
迷う場合は月次予算設定がオススメ
どちらにすればいいか迷う場合は、月次予算設定をオススメします。
月次予算設定の特長として、月内の前日以前に配信しきれなかった分を繰り越すことができます。
例えば「平日」と「5のつく日」を比べた時、「5のつく日」の方が訪問者が多い傾向があります。
月次予算設定は、月内で配信しきれず余ってしまった予算がある場合、その予算を繰越すことができるので、決められた予算以上に配信できる場合があります。
「5のつく日」の訪問者は購入に繋がりやすい傾向があるので、余った場合の予算を効率よく運用するためにも月次予算設定をオススメします。
入札商品を改めて決めよう
次は入札商品を見直してみましょう。
既に一度商品を入札して配信していると思いますが、成果を上げるためには”より売れる商品”、”より検索される商品”を選ぶことが重要です。
入札する商品は多ければ多いほど良く、理想の入札数としては販売商品の50%以上が目安といわれています。
入札商品を増やす理由
入札商品を増やした方が良い理由としては以下の3つです。
- お客さま1人1人のほしい商品が異なるため
- 自ストアへお客さまが訪れるチャンスが増えるため
- 成功店の入札商品割合は取扱い商品の50%以上が多いため
理由1 お客さま1人1人のほしい商品が異なるため
広告配信される商品の種類が多いほどお客さまの目に触れる確率が上がります。
例えば、趣味がキャンプの方は新しいキャンプ用品を探しますし、リビングで飲み物をこぼしてしまった方はラグマットを探します。お子さま向けの誕生日プレゼントを探している方もいるかもしれません。
このようにYahoo!ショッピングにはいろんなニーズのお客さまが集まります。
そのためアイテムマッチに出す商品を絞りすぎてしまうと、せっかくの購買意欲が高いお客さまの目に触れるチャンスを逃してしまうことになります。
まだ成長途中で売れ筋商品を持っていないストアは、積極的にアイテムマッチに出す商品を増やすことが、訪問者数を増やす第一歩になります。
理由2 自ストアへお客さまが訪れるチャンスが増えるため
お客さまが自ストアの商品ページへ訪れたタイミングで、他の商品も見てもらえるチャンスが増えます。
いわゆる「回遊してもらう」ということですが、お客さまが自ストアでまとめ買い・ついで買いをすれば、客単価は高くなり、売上アップにもつながり、結果的に広告の費用対効果も高くなります。
スーパーのチラシが良い例ですが、卵のセール、お肉のセール、いろいろな商品がきっかけで来店しますが、果たして広告の商品だけ買って帰る方がいるでしょうか?
また、「このストアで思わず何個も買ってしまった・・」と思ってもらえれば、リピーターとなって今後のストアの売上を支えてくれるかもしれません。
理由3 成功店の入札商品割合は取扱い商品の50%以上が多いため
集客に成功しているストアさまの多くが、取り扱い商品の50%以上を入札しています。
月商 | ~10万 | ~ 30万 | ~ 50万 | ~ 100万 | 100万~ |
入札商品設定率 | 50% | 47% | 58% | 54% | 60% |
どの売上規模でもだいたい約50%前後の商品を入札していることがわかります。
入札商品数について詳しくは以下の記事をご参照ください。
▶もう迷わない!入札は出品商品の50%以上が◎|広告運用成功ストアの実績公開
つまり、ポイントとしては広告配信している商品が多ければ多いほど集客がうまくいくということです。
広告を出す商品の選定ポイント
では、どのような商品を入札すれば良いのでしょうか。
最も優先度が高い、選ぶべき商品は売上や注文数が多い商品です。
売れ筋商品なので、広告配信を行いお客さまの目に触れる機会を増やすことで、さらに売上を増やせます。
次に選んでおきたい商品は訪問者数は少ないが購買率が高い商品です。
ポテンシャルは高いがお客さまの目に触れる機会に恵まれていない商品なので、広告配信を行いその機会を増やすことで、売上が増える可能性が高い商品といえます。
その他にも、季節商材やSNSでバズっていることに関連している商品など、選定ポイントは色々ありますが、まずはこちらの商品群を積極的に入札していきましょう。
選ぶ基準は、以下のとおりです。
1.売上や注文数が多い商品
2.訪問者数は少ないが購買率が高い商品
「広告を出さなくても売れているからもったいない」と思われる方もいるかもしれませんが、広告とは「売れている商品」をもっと売るようにするためのものです。
売れ筋商品を選択する方法
売れ筋商品を選択するためには、ストアクリエイターProの管理画面から「販売管理」>「商品分析」>「月次」から先月を選び、「CSVファイルをダウンロード」ボタンを押してファイルをダウンロードします。
ファイルの中は以下のような項目になっているので、売上金額の高いものから並ぶように、降順に並び替え、アイテムマッチの入札商品に追加します。
入札商品の選定の方法、一括で入札商品を登録する方法などについて詳しくは以下の記事をご参照ください。
▶もう迷わない!入札は出品商品の50%以上が◎|広告運用成功ストアの実績公開
まとめ
今回はアイテムマッチで成果が出ていない・わからないストアさま向けに、改めて考えるべきこととアイテムマッチの効果を上げる方法をご紹介しました。
売上目標を達成するための広告運用は継続的に運用していくことが重要です。今回の記事を参考に、改めて目標や予算を見直し、より効果的な配信を再度行ってみてください。
また、目標を定めると効果検証がしやすくなるので、2週間もしくは1か月ごとに配信結果を振り返り、改善をしていくことでアイテムマッチ運用のコツ、集客のコツがつかめてきます。
改善ポイントや方法も、今後このブログ内で案内していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
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