2024年12月23日

クーポン戦略完全ガイド!カテゴリ別・客単価別の値引率&値引額を大公開

「他のストアはどんなクーポンを発行しているんだろう?」と気になったことはありませんか?

特に、ライバルストアのクーポン戦略が気になる方も多いはずです。値引額クーポンと値引率クーポン、どちらが効果的なのか、または送料無料クーポンが有効なのかなど、悩みは尽きませんよね。

さらに、具体的な値引額や値引率の設定も重要なポイントです。過剰な値引きは利益を圧迫してしまいますが、控えめすぎるとお客さまに魅力を感じてもらえません。

そこで今回は、他のストアがどのような傾向でクーポンを発行しているのか、カテゴリ別や客単価別のクーポン発行の傾向をデータと共に紹介していきます。

自ストアのクーポン戦略の参考にしてみてください。

この記事のポイント
  • クーポンの種類を全体傾向で見てみると、値引額クーポンが最も多く、ついで値引率クーポンが実施されている
  • 値引額、値引率のどちらを採用するかは、カテゴリや客単価によって異なる
  • 低単価商品には値引率クーポン、高単価商品には値引額クーポンが採用されている場合が多い

値引額クーポン、値引率クーポン、送料無料クーポンをどう使い分ける?

どんな種類のクーポンを発行すればいいのか、迷うストアさまは多いと思います。

他店はどんなクーポンを発行しているのか、まずはYahoo!ショッピング全体での傾向を見ていきましょう。

以下は、今回調査したYahoo!ショッピングのストアさまが発行しているクーポン種類別の設定割合です。

※バリューコマース調べ(重複回答あり)

全体傾向で見てみると、発行されているクーポンの種類は、値引額クーポンが最も多い結果(72%)となっています。値引率クーポンも51%あります。送料無料クーポンを発行されている割合は2%でした。

重複回答ありなので、値引額と値引率のクーポンを併用されているストアさまもあることがわかります。

カテゴリごとのクーポン発行傾向を分析!どのタイプが主流?

次にカテゴリ別では、どのクーポンを発行する傾向にあるのか見ていきましょう。

以下の表では、平均値より大きいカテゴリにはハイライトを入れています。ほとんどのカテゴリでは値引額クーポンの割合が高いですが、「スマホ、タブレット、パソコン」では値引率クーポンの方が高いという結果が出ています。

送料無料クーポンは、粗利率の高いカテゴリや高単価商品の多いカテゴリ、送料が低い(メール便などで配送が可能)カテゴリで利用されていることが多そうです。

■カテゴリごとのクーポン種類別発行割合

カテゴリ名設定率
値引額値引率送料無料
家具、インテリア79%47%1%
ダイエット、健康71%55%2%
アウトドア、釣り、旅行用品72%46%1%
食品77%46%1%
スマホ、タブレット、パソコン52%66%2%
ゲーム、おもちゃ66%47%3%
ファッション69%58%4%
スポーツ75%51%4%
DIY、工具76%41%1%
車、バイク、自転車71%46%3%
コスメ、美容、ヘアケア74%51%5%
ベビー、キッズ、マタニティ71%49%2%
家電77%49%0%
花、ガーデニング79%32%0%
キッチン、日用品、文具68%50%2%
テレビ、オーディオ、カメラ65%52%0%
楽器、手芸、コレクション70%52%4%
ペット用品、生き物77%43%0%
全体72%51%2%
※バリューコマース調べ(重複回答あり)

客単価別クーポンの傾向:低単価と高単価で何が違う?

客単価別では、どのクーポンを発行する傾向にあるか、見ていきましょう。

客単価別での傾向は以下のとおりです。

・低い客単価の場合
値引率クーポンが優勢(理由: お客さまに対してお得感をアピールしやすい)

「100円引き」よりは、「10%OFF」の方がお得そう!

・高い客単価の場合
値引額クーポンが主流(理由: 値引率の印象より値引額の方がインパクトがあり、負担も軽減されるため)

「10%OFF」より「1,000円引き」の方が数字的なインパクトがあるな!

■客単価ごとのクーポン種類別発行割合

客単価設定率
値引額値引率送料無料
2,000円未満53%66%1%
2,000-5,000円未満64%59%2%
5,000-10,000円未満75%48%2%
10,000-20,000円未満79%39%2%
20,000円以上81%33%2%
※バリューコマース調べ(重複回答あり)

自ストアを上記調査に当てはめた場合、値引額、値引率どちらのクーポンの方が多そうか、だいたい理解できましたでしょうか?

では、次に実際の値引額や値引率はどうするべきか、紹介していきます!

適切な値引率と値引額をどう設定する?

クーポンを発行する際、値引額や値引率の設定は非常に重要なポイントです。

値引額が大きすぎるとストアの利益を圧迫してしまいますが、小さすぎるとお客さまにお得感を感じてもらえない可能性があります。

このような点を踏まえ、適切な値引額や値引率の基準を設定することが求められます。

ここでは、客単価別やカテゴリごとの平均的な値引額・値引率の傾向をデータで紹介します。

客単価別に見る値引率と値引額の平均値は?

データから客単価ごとの値引率と値引額には、以下のような傾向が見られます。

※バリューコマース調べ

値引率
5~10%の値引き率が一般的(全体的に7%前後の値引率が主流)
客単価が2千円〜5千円未満の層では、最も高い7.7%の値引率が設定されており、お得感を重視していることが伺えます。
一方で、2万円以上の高単価商品では、値引率が6.3%と低めに抑えられる傾向が見られます。これは、高単価商品で値引率を上げすぎるとストアの負担が大きくなるためと考えられます。

値引額
100円~500円の値引額が一般的(客単価が上がるにつれて、値引額も増加)
2千円未満では平均136円の値引額、2万円以上では平均807円の値引額となっており、客単価に応じた設定がされています。
特に、2万円以上の層では、値引額の増加に対して値引率が抑えられる傾向が顕著です。

これらのデータから、客単価に応じて「適度な値引率」を設定し、収益性を維持しつつお客さまに満足感を与える戦略が効果的であることがわかります。

高単価商品の場合は値引額を重視し、低単価商品の場合は値引率を目安にクーポンを設定するのがポイントです。

最適な値引き額について詳しくは以下の記事をご参照ください。
損しないクーポン値引!利益も売上もアップが目指せる最適な値引額のヒント

カテゴリ×客単価で見る値引率と値引額の平均

さらにカテゴリ別、かつ客単価別の傾向も見ていきましょう。

カテゴリと客単価別に値引率・値引額を見ていくと、いくつかの特徴的な傾向をピックアップ(赤枠/青枠)してご紹介します!

※バリューコマース調べ

カテゴリ毎の値引率・値引額が、客単価別の全体平均より高い場合は赤、平均より30%以上低い場合は青で色付けをしています。

値引率が高めのカテゴリ

コスメ、美容、ヘアケア
全体の平均値引率7.2%に対し、特に2千~5千円未満では13.5%、1万~2万円未満では9.7%と大きく上回っています。このカテゴリではお得感を重視した値引率の設定が顕著で、競争が激しい市場であることが伺えます。

食品
特に2千円未満では値引率8.8%と高めの設定。この層では、日常的な購入頻度が高いお客さまを対象に値引率を重視していることが考えられます。

値引額が高めのカテゴリ

家電
客単価が高くなるにつれ、値引額が急増する傾向が見られます。特に1万~2万円未満では平均値引額1,432円、2万円以上では2,230円と、他カテゴリと比較して非常に高い設定です。このカテゴリでは、高額商品が多いため、値引率よりも具体的な値引額を提示することで購入意欲を高めていると考えられます。

スマホ、タブレット、パソコン
このカテゴリも家電同様、客単価が高くなるにつれ、値引額が急増する傾向が見られます。どの価格帯でも値引額が平均よりやや高めになっています。大きな買い物をするお客さまに対して、値引額での魅力を打ち出していると推測されます。

値引率が低めのカテゴリ

ゲーム、おもちゃ
値引率は全体平均を下回ることが多く、特に2千円未満では3.3%と低い傾向が見られます。比較的安価な商品の単価帯が多いため、値引額を抑えつつ利益を維持する傾向があると考えられます。

DIY、工具
5千~1万円未満では値引率5.3%と低めの設定です。専門性の高い商品が多いカテゴリでは、値引きを抑えて利益確保を狙う傾向が見られます。

特徴的なカテゴリの傾向

ペット用品、生き物
他カテゴリと比較して、値引額が抑えられる傾向にあります。例えば1万~2万円未満では296円と低めの設定で、過剰な値引きを避けつつ、特定のお客さま層をターゲットにしていると考えられます。

ファッション
値引率と値引額のバランスが特徴的で、全ての単価帯で全体平均とほぼ一致しています。お客さまに安定したお得感を提供しながら、過剰な値引きを避ける傾向が伺えます。

自ストアではどの程度の値引額、値引率でクーポンを発行すればよいか、理解できましたでしょうか?

クーポン利用者をどう絞る?ターゲット別施策を考える

どのようなクーポンを、いくらの値引額や値引率で発行するかを決めたら、「誰に対して発行するか」を考えましょう。

ストアクリエイターProを使用すると、すべてのお客さまを対象にクーポンを発行できます。これは広い層への集客や売上アップに効果的ですが、クーポンがなくても購入する層にもコストがかかる点に注意が必要です。

一方、新規顧客獲得に注力したい場合は、未購入のお客さまに限定してクーポンを発行することで、コストを効果的に活用できます。

STORE’s R∞(ストアーズアールエイト)を活用すれば、特定のターゲット層に絞ってクーポンを発行することが可能です。

自ストアの戦略に合わせて、効率的に顧客を獲得し、リピーター育成につなげましょう。

以下に狙うべきターゲットとターゲットごとのクーポン戦略と発行ポイントを解説します。

  1. 新規顧客
  2. 既存顧客
  3. LYPプレミアム会員
  4. バースデー(誕生月のお客さま)

1. 新規顧客

売上アップのためには、新規顧客を獲得し続けることが必要不可欠です。

新しい顧客を獲得するためのクーポンは、初回購入を促す内容が効果的です。

例えば、購入ハードルを下げる「初回購入限定クーポン」や「送料無料クーポン」が適しています。また、初回限定で特別感を演出することで購買率を高められます。

■新規顧客向けクーポン例とポイント

  • 対象者:新規顧客(未購入、LYPプレミアム会員×未購入、ソフトバンクスマホユーザー×未購入)
  • 値引率・額:5%〜10%程度の値引き
  • ポイント:新規のお客さまを獲得し、最初の購入体験をスムーズにすることを目的とします。LYPプレミアム会員かつ未購入者という対象設定も可能です。

新規顧客獲得について詳しくは以下の記事をご参照ください。
コストをかけるべきは新規のお客様!新規顧客獲得のためのクーポン活用法

2. 既存顧客

リピーターが増えることで売上の安定が見込めます。購入後のフォローアップでリピーターへと育てるために、既存顧客に対しても、購入履歴に基づいたクーポンを発行すると効果的です。

例えば、はじめて購入したお客さまに、2回目のお買い物で使えるクーポンや購入から一定期間が経ってしまっているお客さまには、少し値引額面の高い、購買意欲を刺激するクーポンを発行します。

■既存顧客向けクーポン例とポイント

  • 対象者:既存顧客(購入後の再購入促進、LYPプレミアム会員×1回のみ購入、ソフトバンクユーザー×1回のみ購入)
  • 値引率・額:5%~10%程度の値引き
  • ポイント:既存顧客へのアプローチはメール配信が有効です。2回目購入促進の場合はサンクスレターとともに、お客さまの記憶が新しいうちに特典を案内しましょう。

既存顧客向けクーポン施策について詳しくは以下の記事をご参照ください。
人気店に続け!新規客獲得からリピーター育成までのステップ紹介
リピート購入は人気店のバロメーター、難しくないリピーター育成術!

3. LYPプレミアム会員

LYPプレミアム会員はキャンペーンやポイント還元率が高いなどYahoo!ショッピングでの購入特典が多く、購買率が一般のお客様に比べて高いので、優良顧客に転換する率が高い層と言えます。

LYPプレミアム会員獲得のためには、LYPプレミアム会員向けのキャンペーン特典がある日(日曜日)や大型販促イベントなどに合わせた特別なクーポンを発行すれば効果的です。

■LYPプレミアム会員向けクーポン例とポイント

  • 対象者:LYPプレミアム会員
  • 値引率・額:5%程度の値引き
  • ポイント:「5のつく日」や「日曜日」「大型販促イベント期間中」などキャンペーン特典のある日は集客チャンスなので、限定してクーポンを発行すればさらに購買率アップが期待できます。

優良顧客育成について詳しくは以下の記事をご参照ください。
優良顧客を増やしたい!リピーターを育てる方法とは?

4. バースデー(誕生月のお客さま)

誕生日特典として利用できるバースデークーポンは、顧客満足度を高める重要な施策で、新規のお客さま獲得にも役立ちます。

誕生月に使える「特別割引クーポン」などを提供することで、お客さまとの関係性を強化し、記念日をきっかけとした購入を促せます。

■バースデークーポン例とポイント

  • 対象者:誕生月のお客さま
  • 値引率・額:5%〜10%程度の値引き
  • ポイント:バースデークーポン特設ページへの掲載ができれば、新規顧客獲得にもつながります。そのためには、一括定期キャンペーンから「バースデー対象者限定クーポン」を発行し、割引条件をあわせてみてください。

■割引条件

  1. 定率10%以上
  2. 定額300円以上
  3. 送料無料

上記の条件を満たしたクーポンが30分ごとの入れ替えでバースデー特設ページに掲載されます。

バースデークーポンについて詳しくは以下の記事をご参照ください。
誕生月が売上UPの狙い目!バースデークーポンおすすめ利用法を徹底解説

クーポンの利用条件を設定すれば、プラス効果も

ただ割引を提供するだけでなく、ストアの目標やお客さまの行動に合わせて利用条件を設定すれば、さらに効果的にクーポンを活用できます。

利用条件を工夫することで、客単価の向上や特定商品の販売促進、まとめ買いの促進など、ストア運営にプラスの効果をもたらします。

クーポンの利用条件は、以下を考慮して設定しましょう。
※ただし、利用条件を設けることで利用率が下がる場合もあります。その際は利用条件をなくす等も検討してみてください。

購入単価条件

一定額以上の購入で適用する条件を設定することで、客単価の向上を狙えます。例えば、「15,000円以上の購入で送料無料」などが効果的です。

数量限定

特定の商品に限定して割引を適用すると、在庫整理や特定商品の販促に役立ちます。例えば、「〇〇商品に限り20%OFF」や「訳アリ商品限定割引」が該当します。

購入点数条件

複数の商品を購入することで割引を適用する条件を設定すると、まとめ買いを促進できます。例えば、「2点以上購入で10%OFF」などの形式が人気です。

利用条件を明確に設定することで、ストアの目標に合ったクーポン活用が可能になります。

例えば、客単価アップを目指す場合は購入金額条件を、特定商品の売上向上を狙う場合は数量限定条件を活用しましょう!

発行期間の設定で戦略的なクーポン運用も可能

クーポンの発行期間を戦略的に設定することで、目的に応じた効果を最大化することができます。

集客、購買率の向上、売上アップなど、ストアのさまざまな目標に合わせて、複数の発行期間を組み合わせて活用することがおすすめです。

戦略的な発行期間の設定例

全日(常時利用可能)

集客を目的とする場合、全期間で利用可能なクーポンを発行することで、幅広い顧客層に訴求できます。特に新規顧客を引きつける効果が期待できます。

特定日(5のつく日・日曜日・ぞろ目の日など)

特定日に限定したクーポンは、購買率アップに効果的です。例えば、「5のつく日限定で10%OFF」や「日曜日に使える○円引きクーポン」を発行することで、特定の日の購買意欲をさらに高められます。

特定日のクーポン施策について詳しくは以下の記事をご参照ください。
日曜日はクーポン経由売上約4.4倍!5のつく日と合わせてクーポン発行で売上アップを狙おう

セール期間(大型販促イベント期間ならびにおトク期間)

セール期間中にクーポンを発行することで、売上アップを狙えます。大型販促イベント期間中は平日も多くのお客さまが商品を探しに来ているため、カート投入促進につながります。また、期間限定のクーポンはお客さまに緊急感を与え、購入を後押しする効果があります。

例として、「セール期間中は全商品5%OFF」や「数量限定クーポン」を設定する方法が考えられます。

これら3種類のクーポンは、それぞれ異なる目的やタイミングなので、すべてを発行することで、集客から購買促進、売上アップまで幅広い効果を得られます。

全日クーポンで新規顧客を獲得しつつ、
特定日クーポンでピンポイントの購買率向上を狙い、
セール期間クーポンで短期間の売上最大化を実現する、という戦略が非常に効果的です。

自ストアの目標に応じてこれらをうまく組み合わせ、ターゲットに合わせた訴求を行いましょう。

クーポン発行のタイミングについて詳しくは以下の記事をご参照ください。
平日クーポンでライバルストアと差をつける!常時クーポンでお客さまを獲得する方法

まとめ

今回はカテゴリ別・客単価別のクーポン発行の傾向や、値引額・値引率の平均を紹介しました。

これらのデータを参考にすることで、客単価に応じた適切な値引率や値引額を設定し、お客さまにお得感を与えつつ収益性を維持するクーポン施策を実行することができます。

カテゴリごとの特性を活かしたクーポンや、利用条件・発行期間の工夫を組み合わせることで、ターゲットに合わせたプロモーションを実現できるでしょう。

この記事を参考に、自ストアに合ったクーポン戦略を考え、売上や顧客満足度の向上につなげてみてください。

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