ファッションカテゴリの平均「値引額」「値引率」大公開!シーズンにあわせた効果的なクーポン施策で売上最大化!
ストアの売上拡大や顧客のリピート利用を促進するうえで、クーポン施策は欠かせない重要な戦略のひとつです。
特にファッションカテゴリは、流行や季節性の影響を受けやすく、商品の入れ替えや在庫管理のタイミングが売上に直結します。適切なクーポンを活用することで、効率的に商品を売り切り、売上を最大化することが可能です。
さらに、ファッションカテゴリは競合が多く、他ストアと差をつけるために多様なクーポンが活用されている印象があります。では、実際にどのようなクーポンが効果的なのでしょうか?
そこで今回は、全体のクーポンデータとファッションカテゴリの傾向を比較し、「値引額クーポン」「値引率クーポン」「送料無料クーポン」の使い分けや、最適な値引率・値引額の設定方法を具体例とともにご紹介します。
- ファッションカテゴリのクーポンは、流行や季節性に合わせた戦略的な設定が重要
- 客単価に応じて、低単価商品は値引率、高単価商品は値引額クーポンが効果的
- 大型販促イベントでは、初日・期間中・最終日ごとに適したクーポンを活用し、売上を最大化
目次
ファッションカテゴリのクーポン傾向

ファッションカテゴリは、他のカテゴリと比べても特に流行や季節性の影響を強く受ける特徴があります。
- 流行や季節性の影響が大きい:新商品の導入やシーズン終盤の在庫処分など、タイミングに応じた施策が必要
- 競合が多い:他ストアとの差別化を図るため、魅力的で多様なクーポン設定が求められる
新商品の入れ替えやセールのタイミングが頻繁であり、トレンドに合わせて商品の在庫や価格を適切に調整することが求められます。
そのため、売上を安定的に確保し、在庫を効率的に管理するためには、タイミングを見極めたクーポン施策が重要な役割を果たします。
ぜひクーポンをうまく活用していきましょう。
次に、ファッションカテゴリで実際に使用されるクーポンの種類について詳しく見ていきます!
ファッションカテゴリでは値引額クーポン、値引率クーポン、送料無料クーポンをどう使い分ける?
ファッションカテゴリのストアではどのようなクーポンを発行しているのでしょうか?
値引額なのか値引率が多いのか、送料無料クーポンはどの程度のストアが発行しているのか、見ていきましょう。
以下は、今回調査したYahoo!ショッピングのストアさまが発行しているクーポン種類別の設定割合を全体とファッションカテゴリで比較したグラフです。
全体傾向で見てみると、発行されているクーポンの種類は、値引額クーポンが最も多い結果(72%)となっています。値引率クーポンも51%あります。
重複回答ありなので、値引額と値引率のクーポンを併用されているストアさまもあることがわかります。
ファッションカテゴリも同様の傾向で、値引額クーポンが最も多く(69%)で、値引率クーポンの割合が58%と全体の傾向と比べて多く発行されている結果となっています。
また、送料無料クーポンが全体の割合が2%にどまっているのに対して、4%と他のカテゴリと比べても送料無料クーポンが発行されている結果となっています。
値引額、値引率クーポンとも両方多く発行されているようです。
送料無料クーポンの発行も全体平均より多いことから、ファッションカテゴリではいろんな種類のクーポンをうまく使い分けていそうですね!
客単価別クーポンの傾向:低単価と高単価で何が違う?
客単価別ではどのクーポンを発行する傾向にあるか、見ていきましょう。
全体の客単価別での傾向は以下のとおりです。
■客単価ごとのクーポン種類別発行割合
客単価 | 設定率 | ||
値引額 | 値引率 | 送料無料 | |
2,000円未満 | 53% | 66% | 1% |
2,000-5,000円未満 | 64% | 59% | 2% |
5,000-10,000円未満 | 75% | 48% | 2% |
10,000-20,000円未満 | 79% | 39% | 2% |
20,000円以上 | 81% | 33% | 2% |
・低い客単価の場合
値引率クーポンが優勢(理由: お客さまに対してお得感をアピールしやすい)
・高い客単価の場合
値引額クーポンが主流(理由: 値引率の印象より値引額の方がインパクトがあり、負担も軽減されるため)
上記は全体の傾向ですが、ファッションカテゴリでも同様の傾向があるといえます!
クーポンの種類別発行について詳しくは以下の記事をご参照ください。
▶客単価別クーポンの傾向:低単価と高単価で何が違う?
ファッションカテゴリでは適切な値引率と値引額をどう設定する?
クーポンを発行する際、値引額や値引率の設定は成功を左右する重要なポイントです。
値引額が大きすぎると利益を圧迫してしまうリスクがありますが、逆に小さすぎるとお客さまに十分なお得感を提供できず、クーポンの魅力が薄れてしまいます。
特にファッションカテゴリでは、春夏と秋冬で商品単価や売れ筋アイテムが変わることから、季節に応じた柔軟な値引設定が必要です。
また、商品の入れ替えが頻繁に行われるため、新商品の導入時期や在庫処分のタイミングで値引率や値引額を調整することで、効率的に売上を伸ばすことができます。
■効果的なクーポン施策の例
- シーズン初め:新作を手に取ってもらうための早割クーポン
- シーズン中:検索結果やカテゴリリストでライバルに差をつけるためのクーポン
関連商品の購入を促し、客単価アップを促進するためのクーポン - シーズン終盤:在庫処分用の高値引額クーポンや送料無料クーポン
季節トレンドに合わせて、クーポンの種類や額面を変えていく必要があります。
では、実際にファッションカテゴリの平均的な値引額・値引率の傾向はどうなっているのか、客単価別データとともにご紹介します。
客単価別に見る値引率と値引額の平均値は?
Yahoo!ショッピング全体の客単価別で見た場合、低単価商品では値引率クーポンが優勢で、高単価商品では値引額クーポンが主流という傾向でした。
ファッションカテゴリの客単価別データを全体平均と比べてみると、以下のような結果になりました。
■ファッションカテゴリの客単価別値引実績
値引率
・8~9%の値引率が一般的(全体平均と比較しても高め)
客単価が1万円〜2万円未満の層では、最も高い9.1%の値引率が設定されており、お得感を重視していることが伺えます。
2万円以上の高単価商品でも、値引率が8.6%と高めに推移しています。
値引額
・100円~1,000円の値引額が一般的(客単価が上がるにつれて、値引額も増加)
2千円未満では平均123円の値引額、2万円以上では平均961円の値引額となっており、客単価に応じた設定がされています。
特に、1万円以上の層では、値引額クーポンの方が数字としてのインパクトを出せそうです。(1万円以上で500円引き、2万円以上で1,000円引きといったクーポンが多そう)
最適な値引き額について詳しくは以下の記事をご参照ください。
▶損しないクーポン値引!利益も売上もアップが目指せる最適な値引額のヒント
ファッションカテゴリおすすめクーポン施策例
ファッションカテゴリでのクーポン利用状況は把握できましたでしょうか。
ここからは、すぐに試せる具体的なクーポン施策を「目的別」に整理してご紹介します。
新規顧客の獲得、既存顧客のリピート促進、売上が伸びやすい特定の曜日やイベントセールでの活用方法など、実践的なアイデアをピックアップしました。
そのまま設定しても効果が期待できる施策を、おすすめ順に詳しく解説していきます。
1.5のつく日/日曜日の売上を伸ばしたい
ファッションカテゴリでは、「5のつく日」や「日曜日」といったセール日を活用し、まとめ買いやリピート購入を促進するのが効果的です。
特に、ファッションアイテムは「特典が多いタイミングでお得にまとめ買いしたい」と考えるお客様が多いため、LYPプレミアム会員をターゲットにしたクーポン施策が有効です。
「5のつく日」や「日曜日」といったセール日の売上を伸ばしたい場合には、LYPプレミアム会員をターゲットに設定したクーポンを発行してみましょう。
LYPプレミアム会員は、お買い物特典が多く、購買意欲が強い顧客層のため、「5のつく日」や「日曜日」に合わせたクーポンを発行することで、さらに売上アップが期待できます。
ターゲット
・LYPプレミアム会員
値引額・値引率(例)
・「5のつく日&日曜日のまとめ買いクーポン」で客単価アップ
例:LYPプレミアム会員限定!5,000円以上の購入で300円引き
・「ファッションアイテム限定クーポン」で特定カテゴリの売上アップ
例:LYPプレミアム会員限定!5のつく日はレディースアウター全品5%オフ
・「2点以上で使えるクーポン」でセット購入を促進
例:コーデまとめ買いでさらにお得!2点以上購入で500円引き
設定方法
一括定期キャンペーンの「LYPプレミアム会員×5のつく日/日曜日/ゾロ目の日」を選択し、設定する
・配信期間:毎月「5のつく日」(5日、15日、25日)および毎週日曜日
利用条件 ※以下のいずれか
・最低購入金額を設定(例:税抜5,000円以上)する
・セット購入を促進する場合は、買上点数(例:2点以上)を設定する
※利用条件を設定することで、客単価アップも期待できます。
このクーポンは購買率アップが最も期待できる組み合わせなので、自動発行できる一括定期キャンペーンでの設定がおすすめです!
2.新規顧客を獲得したい
ファッションカテゴリでは、シーズン初めに新規顧客を獲得することが特に重要です。
新作が登場するタイミングで多くのお客さまが情報収集を行い、気になる商品を試してみようとします。新規顧客の多くは、「お得だから試してみよう」と考える傾向があるため、クーポンを活用してハードルを下げることが大切です。
特にファッションアイテムは、実際に購入・着用することでストアへの信頼感が生まれ、リピーター化につながります。
STORE’s R∞(ストアーズアールエイト)で設定すれば、未購入者に限定してクーポン発行ができるので、クーポンの無駄打ちがなく、新規顧客獲得のためにコストを充てることができます。
ターゲット
・未購入(新規のお客さま)
値引額・値引率(例)
・シーズン初めは「新規限定○○円引きクーポン」でお試し購入を促進
例:新作発売記念!初回購入限定 1,000円引き(5,000円以上の購入で適用)
・トレンド商品を試してもらうために「人気アイテム限定クーポン」も有効
例:この春トレンドの○○対象!新規限定10%OFF
・初回購入の不安を和らげる「送料無料クーポン」
例:新規のお客さま限定!初回購入は送料無料
設定方法
通常キャンペーンの「新規購入者を増やしたい」から「ウェルカムメッセージ」を選ぶ、もしくは「オススメ」から「LYPプレミアム会員×未購入」または「ソフトバンクスマホユーザー×未購入」を選んで設定する
利用条件
・特になし
新規顧客限定クーポン発行方法はこちら
なるべく多くの新規のお客さまに購入いただくために、利用条件は設けないでやってみましょう。
3.既存顧客を獲得したい
一度でも購入経験のあるお客さまは、メルマガなどでストアから直接アプローチすることが可能です。
既存顧客向けのクーポンを発行し、リピート購入を促進しましょう。
ファッションカテゴリでは、シーズンごとの買い替え需要が高いため、既存顧客への継続的なアプローチが重要です。
特に、季節の変わり目は「去年買ったアイテムを新しくしたい」「トレンドに合わせた服を買い足したい」と考えるタイミングです。この時期にリピート購入を促すクーポンを発行することで、効率的に売上を伸ばすことができます。
このファッションカテゴリの特性を活かして、季節の変わる時期の再購入促進として、商品の購入から3カ月後に「次回利用できるクーポン」を発行すれば、スムーズにリピート購入につなげることができるでしょう。
ターゲット
・既存顧客(直近3か月以内に購入履歴がない顧客)
値引額・値引率(例)
・「シーズン買い替えクーポン」で次回購入を促進
例:昨シーズン購入のお客さま限定!次回使える500円引きクーポン
・「コーデ買い足しクーポン」でセット購入を狙う
例:秋冬アイテム2点以上の購入で10%OFFクーポン
設定方法
通常キャンペーンの「離反を防ぎたい」から「クーポンをフックに利用促進」を選択し、設定する
(リピート限界アラートを設定しておき、最終購入から90日(3カ月)を対象にクーポンを発行する)
■リピート限界アラートのイメージ

利用条件
・利用期間を2週間限定にする
・セット購入を促進する場合は、買上点数(例:2点以上)を設定する
リピート限界アラートの対象者にクーポン発行する方法はこちら
STORE’s R∞ の「通常キャンペーン登録」を選択します。
キャンペーンの目的で「離反を防ぎたい」を選択し、具体的な施策の「クーポンをフックに利用促進」をクリックします。
「顧客ステータスから抽出条件を設定する」項目の「リピート限界アラート」で既に黄信号と赤信号が選択されています。

リピート限界アラートについて詳しくは以下の記事をご参照ください。
▶リピート購入は人気店のバロメーター、難しくないリピーター育成術!
季節ごとの買い替え需要を意識し、既存顧客への効果的なクーポン施策を実施しましょう!
大型販促イベントでのクーポン施策
超PayPay祭やヤフービッグボーナスなどの大型販促イベントは、売上アップのチャンスです。
イベント期間の各タイミングに応じてクーポンを使い分けることで、集客力を高め、購入を後押しすることが可能です。
ここでは、大型販促イベントの流れに沿った効果的なクーポン施策をご紹介します。
1.発行枚数限定クーポン(初日や最初のおトク日)
大型販促イベント初日は、多くのお客さまが一斉にショッピングを始めるタイミングです。
このタイミングで「先着○名限定○円OFF」などの発行枚数限定クーポンを設定することで、早めの購入を促し、スタートダッシュを成功させることができます
例:先着100名限定 10%オフクーポン
セール初日限定 1,000円オフクーポン(10,000円以上の購入で適用)
限定感を演出することで、お客さまの「お得なうちに買いたい!」という心理を刺激できます。
2.大型販促イベント期間中クーポン
大型販促イベント期間中はたくさんのお客さまがYahoo!ショッピングを訪れます。
新規顧客獲得のチャンスでもあるので、購入を迷っているお客さまや、おトク期間に備えて商品を探しに来ているお客さまに対して、後押しとなるクーポンを発行するのが効果的です。
大型販促イベント全体の売上を底上げするために、全顧客を対象にしたクーポンや新規顧客に限定したクーポンを活用すると良いでしょう。
例:初回購入限定 500円オフクーポン
今だけ(超PayPay祭期間中)全員5%OFF
セール期間中は競合も多いため、ライバル店の広告やクーポン施策は要チェックしておいてください。
大型販促イベント期間中のクーポン事例について詳しくは以下の記事をご参照ください。
▶クーポン継続の重要性とは|大型セールがある月とない月のクーポン施策例紹介
3.最終日のおトククーポン(おトク期間やグランドフィナーレ)
大型販促イベント最終期間は、最もお買い物特典が得られる「おトク期間」で、いつもの約7.2倍の注文者数が見込めます。
この機会を活かし、期間限定の特別クーポンを発行することで、駆け込み需要を取り込みましょう。
例:最終日限定 10%オフクーポン(10,000円以上の購入で適用)
4.在庫処分/商品限定クーポン
大型販促イベントの期間を利用して、特定の商品や在庫処分品に限定したクーポンを活用するのも効果的です。
売れ残った商品を効率よく販売するために、対象商品限定の割引クーポンを発行し、セールの盛り上げと売上アップを図りましょう。
商品タグ機能を使って、同じ商品タグの商品にのみクーポンを発行することができます。
■商品タグとは
商品タグとは商品をグルーピングするために入力する印(しるし)のようなもので、ストアクリエイターProの商品ページ編集から設定ができます。
同じ商品タグが付いていると商品同士でグループ化ができ、クーポン対象商品としての紐づけに利用できます。

例:在庫処分セール対象商品 20%オフクーポン
〇〇ブランド限定 1,500円オフクーポン(7,000円以上の購入で適用)
商品タグ機能について詳しくは以下の記事をご参照ください。
▶STORE’s R∞に「商品タグ」指定機能が追加!在庫処分も商品除外も売上アップも叶えるクーポン術
お客さまは「在庫処分」や「訳アリ」「アウトレット」といったキーワードには敏感に反応します。既存のお客さまにはメルマガ等で案内をしましょう。
対象商品を明確にし、お得感を打ち出すことで、販売促進につなげることができますね!
まとめ
今回はクーポンの種類や使い分け、客単価別の傾向、具体的な施策について紹介しました。
ファッションカテゴリのクーポン施策は、流行や季節性の影響を考慮し、戦略的に活用することが重要です。
特に、競合が多いファッションカテゴリでは、クーポンの種類やタイミングを工夫することで、売上やリピーター獲得につなげることができます。低単価商品には値引率、高単価商品には値引額のクーポンが効果的であり、大型販促イベントでは初日・期間中・最終日と適切なクーポンを設定することで集客を最大化できます。
クーポンの使い方次第で、顧客の購買意欲を高め、売上アップにつなげることができます。データを活用しながら、自ストアに最適なクーポン戦略を実践してみましょう。
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